2019年2月22日、長田西小学区内にある丸子本町集会所にて、「特定非営利活動法人静岡市子ども食堂ネットワーク」(以下、静岡市子ども食堂ネットワーク)が運営サポートをする「丸子せんマル子ども食堂」が開催されました。
静岡市子ども食堂ネットワークは、静岡市内の小学校区に1つずつ子ども食堂を作ることを目標に、現在市内10か所の会場で子ども食堂の開催を実現しており、現在も数カ所が設立準備中とのこと。
地域の子どもたちの居場所となる子ども食堂を、子どもたちが歩いていける距離に作りたいという想いのもと、活動しているそうです。
「丸子せんマル子ども食堂」は、静岡市立長田西小学区内にある丸子本町集会所で月1回、開催されています。
2019年2月22日。
13:00頃。ボランティアスタッフが会場となる集会所へ集まり、調理スタート。
14:00過ぎ。ランドセルを背負った低学年の子どもたちが集会所へやってきました。
スタッフが「おかえり~」と声をかけます。
受付で名前と学年、アレルギーの有無を記載し、名前代わりの番号札をつけ、ランドセルを置いたら、宿題をしたり、ボードゲームをしたり、外で遊んだりとそれぞれが自由に過ごします。
丸子本町集会所は団地内にあるため、公園や遊具が充実。
鬼ごっこをしたり、ドッチボールをしたりと外遊びも楽しそうでした。
15:00過ぎになると、上の学年の子どもたちも集まり、集会所はてんやわんやの状態。
会場の雰囲気は、開催される場所によって異なるそうですが、こちらはアットホームな雰囲気です。
15:30を過ぎると、お腹が空いた子には食事提供をスタート。
この日の献立は、ビーフシチュー、フライドポテト、とり大根、ご飯、リンゴ、プチシュー。
栄養バランスが考えられた、子どもたちの大好きなメニューです。
ボランティアスタッフがご飯の量を聞くなど、一人ひとりに話しかけていました。
食事を済ませた後は、また各自で自由に遊び、17:00のチャイムが鳴る頃、帰宅していきます。
保護者が迎えに来てくれる子は、18時まで預かってくれるそうです。
「丸子せんマル子ども食堂」を始めた方々は、自身も子育て中のママたち。
子ども食堂のことはテレビで観て知っていましたが、初めは自分たちの地域と結びつけて考えてはいなかったそうです。
しかし、ある時、自分たちの地域に、家庭に問題のある子や、夕方18時を過ぎても家に帰らず公園で過ごしている子がいること、自分の子どもと同じくらいの子が一人で過ごしていることを知り、何かしてあげたいと思ったことから始まったといいます。
静岡市子ども食堂ネットワークは、子ども食堂を開催するために必要となる事務手続きのサポートをしてくれるので、運営者は会場準備と当日の運営に専念できるとのこと。
「これなら家でご飯を作ることとそんなに変わらない。自分たちにもできる」と感じたといいます。
ママ友に声をかけ、2016年から始めました。
子ども食堂を運営している間は、運営者たちの子どもたちも周りの大人たちに見守られながら遊んでいました。
こちらでは、毎回50~70人くらいの子どもたちが来るそうです。
約10人程度のボランティアスタッフが入れ替わり立ち代りで対応にあたり、運営していました。
静岡市子ども食堂ネットワークのサポートを受けて子ども食堂を開催するためには、まず、電話またはメールで連絡したうえで、開催の相談をします。
他事業の子ども食堂の見学や面談などを経て、開催準備に取り掛かっていきます。
運営者は、元民生委員、放課後クラブなどに携わっているボランティア、ベテランママたち、小学生のママたちなど、立場はさまざま。
会場は、漁港の会議所、公民館、集会所など調理ができて、ある程度の広さがある場所で開催されています。
自治会や小学校へも連絡し、小学校へはちらし配布等の協力を得ているそうです。
面倒な補助金申請や開催に必要な手続き、宣伝活動、クレームなどの対応を行うことで運営者の負担を減らし、継続して子ども食堂が開催できる下準備を整えています。
当日の運営にも必ず一緒に参加してくれるので、運営側も安心して開催を実現することができます。
現在、静岡市子ども食堂ネットワーク認定の子ども食堂は月1開催。
運営者や会場の都合を考慮し、日程を調整しているそうです。
食品衛生管理上、食材の保管には冷蔵庫が必要なのですが、冷蔵庫がないところはレンタルをしている企業のご好意で無償貸し出ししてくださっているそうで、開催時間に合わせ運び入れ、終わるとまた運び出してくれます。
こういった企業の協力は本当にありがたいといいます。
静岡市子ども食堂ネットワークの設立者であり、同団体の理事長である飯沼さんは、一般社団法人バンビワゴンの代表理事でもあります。
自身の子ども時代の体験や子育ての経験から子育て支援活動に関心を持ち、移動型授乳施設バンビワゴンでの幼い子どもがいるお母さんのサポート、子ども食堂の開設、 そして地域活性化に関するイベントの開催など、さまざまな活動を行っているといいます。
飯沼さんはテレビで東京都にある要町のあさやけ子ども食堂のことを知り、現地に視察へ行きったことがきっかけで、静岡市子ども食堂ネットワークを立ち上げたとのこと。
全国でたくさんの子ども食堂が開設されていますが、地域への周知ができなかったり、資金面での継続が厳しくなったりと、思うように運営できないところも多いことを知ります。
きちんとサポートする組織ができれば継続できるはずと思い、食品衛生管理者の資格を取得し、静岡市内で安心安全に運営できる子ども食堂の開設ができるよう尽力しています。
静岡市内の小学校区に1つずつ子ども食堂を作ることを目標にしていますが、今後の課題はやはり資金面での問題。補助金活用はもちろんのこと、できるだけ多くの企業協賛を得たいとのことでした。
こうした取り組みを地域全体の課題として多くの人・企業が捉え、さらなる広がりをみせることが期待されています。
更新日: 2019/04/25 (木) 13:46