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「ミナトブンカサイ実行委員会」

2019年10月13日(日)・14日(月・祝)の両日に開催された「ミナトブンカサイ」。このイベントは、平成31年度静岡市協働パイロット事業に採択された「第5回ミナトブンカサイ 〜開港120周年に、ちょっと先の未来を創造する。〜」の一環として行われました。「ミナトブンカサイ実行委員会」の土屋和男常葉大学教授と志村真紀横浜国立大学准教授にお話を伺いました。

ミナトの魅力と地域の価値を知る「ミナトブンカサイ」

「ミナトブンカサイ」は、2012年に第1回目が開催されました。きっかけは前年に行われた、静岡市が東京大学に依頼した「清水港日の出地区周辺のまちづくりに関する調査研究」でした。清水港日の出地区にある木造石張りの倉庫群に遺産価値があるのではと調査が始まりましたが、当時、その築80年ほど経た倉庫の存在を知る静岡市民はほとんどいませんでした。そこで地元の人にも倉庫を見てもらえるようにと、東京大学が主催し調査に協力した常葉大学も参画して開催した倉庫街の路上でイベントが「ミナトブンカサイ」の始まりです。
現在は、横浜国立大学、九州大学、茨城大学、静岡理工科大学が加わった6つの大学連携チームが、日の出ふ頭倉庫群を中心とした継続的な調査とエリアブランディングに向けたまちづくり活動「みなとまちプロジェクト」を進めています。

清水港開港120周年にあたる2019年、4年ぶりに開催する「ミナトブンカサイ」は、静岡市協働パイロット事業に採択されました。産学官民一体となって、日の出地区倉庫群を後世に残す上でも、倉庫群を地元の人たちの憩いの場として再生利用する可能性を見出すために、7つのメニューを用意して、2019年10月13日(日)・14日(月・祝)の2日間にわたって開催を計画しました。
あいにく、前日に台風が襲来。13日は屋外でのイベントができず、開催規模の縮小を余儀なくされましたが、これまでとは違った層の市民の来場、大学連携チームに加え地元の多彩な団体と連携を図れたことで、将来的に開発を進めるための「関係者プラットフォーム」作りのきっかけを得るという成果もありました。

実行委員の土屋教授(右)は2011年の調査開始から活動に関わっています。志村准教授(左)は2013年に個人として参加した後、2017年からは大学でプロジェクトチームを作り10名ほどの学生とともに参加しています。

「第5回ミナトブンカサイ 〜開港120周年に、ちょっと先の未来を創造する。〜」で実施された内容は以下の通りです。


●トークセッション 〜清水のちょっと先の未来を考える〜
「ミナトブンカサイ」のメインイベント。「清水のちょっと先の未来を考える」ために、静岡市や静岡県の職員、地元でまちづくりに関わるメンバー、大学生、学生団体のリーダーなど、様々な分野の人たちが体験談や活動紹介、清水をよくするためのアイデアなどを発表。来場した市民に、今後のまちづくりやイベントの企画をより身近に感じてもらい、参加の後押しに繋げた。

●Shizuoka Teaism 〜海を守るお茶・Shizuoka Teaismカフェの創出〜
地域の特産品であり、清水港の主要輸出品目でもあったお茶を通して「人の繋がりをつくる」ことを実践。学生たちが手摘み、手揉みで仕上げた「ぬくもり園」(清水区)の有機栽培茶を急須でいれ、お菓子とともに提供した。手揉み茶ならではのきれいな茶葉の開き方を見てもらったり、出がらしの茶葉に味噌をつけて食べてもらうことで、安心して食べられる有機栽培茶の利点を伝えた。

●音楽 〜音楽を通してミナトを感じる〜
「音楽を通して来場者にミナトを感じてもらう」をテーマに、5団体による音楽演奏、ダンス披露を倉庫街で行った。

●次世代モビリティ 〜スローモビリティの社会実験〜
エスパルスドリームプラザからマリンパーク、倉庫街の約1kmを繋ぐコースを7人乗りの電動カートで走行。風景をゆっくり楽しめる近距離の補助交通を来場者に体験してもらった。

●次郎長 〜次郎長商店街通りのマップ制作・街歩きガイドツアーの実施〜
清水の魅力ある地域資源のひとつとして「清水次郎長」を取り上げ、次郎長の歴史を継承し次郎長通り商店街ににぎわいを創出する手段として、マップの制作、配布を行った。マップは「ミナトブンカサイ」で配布し、日の出倉庫街エリアと次郎長通り商店街を巡るツアーガイドを実施。ツアー終了後、参加者の半数ほどが商店街で買い物や食事をする様子が確認できた。その後マップは改良を加え、2020年度の活動に繋げた。

●フォトジェニックコンテスト 〜みんなに伝えたい清水の魅力〜
応募総数44点の中から、清水の隠れた魅力を伝える作品2点を「海洋文化賞」「日の出倉庫街賞」の受賞作品として選出した。

●会場デザイン 〜倉庫街の空間活用のイメージを創出する〜
鈴与株式会社、株式会社ボクラノマチ、チームガーランド等と連携、協力し、今後も日の出ふ頭を人が集まる空間にするための会場レイアウトを考えた。倉庫街を散策しながらマルシェや音楽イベントを楽しめる配置や、来場者の休憩や飲食ポイントになるパレットを使ったストリートファニチャー、ミナトらしい装飾などに工夫を凝らした。

パイロット事業ならではの連携で地域活性化へ確かな足がかりを固める

これまで大学連携チームで進めてきたプロジェクトでは、他団体との連携はほとんどなく、伊豆石の倉庫調査のために「しみず蔵倶楽部」と情報交換をする程度だったそうです。今回のパイロット事業では、他団体との連携による広がりを実感できる結果となりました。土屋教授は「店舗出店は、日本平夜市の方たちの全面的な協力で今までにない層の来場が増え広がりを感じるイベントになりました。大学連携チームとしては、研究成果の発表等、本来の役割に力を入れることができました」と振り返りました。
志村准教授は「イベント開催はどうしても費用がかかってしまいます。さらに活動を推進していくためには、行政や地元の事業者、市民活動団体と連携していくのが望ましいと実感しました。それから、今は倉庫群の活用はまだ外だけなのですが、いずれは、倉庫の中が活用できるようになるといいですね」と話してくださいました。

2020年度は、清水の次郎長をクローズアップ!

2020年は次郎長生誕200年。ミナトブンカサイ実行委員会を置く「みなとまちプロジェクト」は、「次郎長が夢見た清水港」をテーマに次郎長通り商店街での取り組みを継続しました。コロナ禍で人が集まるイベントは開催できませんでしたが、その分コンテンツづくりに集中できたと志村准教授。そのひとつに、オリジナルの次郎長茶があります。明治から大正にかけて海外に輸出されていたお茶。その当時、茶箱に貼られていたラベル「蘭字」デザインが、パッケージのラベルに用いられています。さらに、今後はオリジナルの茶箱ベンチの制作も進行中です。

「国際航路の船が入港して、お茶を輸出する清水港の将来像を、次郎長も思い描いていたのではないかと想像しながら、コンテンツ作りをしています。茶箱ベンチプロジェクト『チャバコシカケ』もそのひとつ。蘭字ラベルを貼った茶箱を、腰掛ける場所があまりない清水港周辺でストリートファニチャーとして使えるように考えました。茶箱をベンチにして港を眺めながらお茶を飲んでほしいですね」(志村准教授)。

「茶箱はオクシズ材でつくっています。清水港と静岡市の多様な魅力を発信するとともに、中山間地の産業振興も目指します」(土屋教授)。

具体的な今後の展開アイデアは現在練っている最中だそうですが、「ミナトブンカサイ」のビジョンでもある、「次郎長もこうしたことを考えたのでは」を実行していくとのこと。「みなとまちプロジェクト」のホームページも完成し、活動状況は随時発信されています。

日の出ふ頭の歴史や遺産にはじまり、地域や産業の活性化に繋がる活動に

日の出ふ頭の倉庫は、台湾から移入した砂糖を保管するために建造されました。志村准教授によると、台湾にも同じくらいの年代の倉庫や建築物が、エイジングされたサーフェイスもそのままに残されていて、若者を中心に受け入れられ日本よりもずっと、その活用が進んでいるそうです。
土屋教授も、「古い建物のリノベーションは、若い世代の方が反応がいいですね。上の世代が“古い、きたない”と切り捨ててしまいそうなモルタルがはがれた壁なども、“映える”とおもしろがってくれる。全てきれいにすればいいというものでもないんですよ」と、その価値を説明してくださいました。

ハードの調査から始まって、地域の魅力を高めるブランディングエッセンスを核としてコンテンツ作りをしている「みなとまちプロジェクト」。海運によって繋がった他の地域との関係性の再認識、建築物としての倉庫の歴史や活用法だけでなく、地域の産業振興など、そのテーマ、要素は多様です。今後の展望を伺うと、「清水港の輸出品だったお茶、輸入品だった砂糖。とくれば、お茶とスイーツですよね。まずは、静岡のお茶でもてなすカフェが、いつか実現できれば。お茶をストーリーにしたブランディングで、静岡から清水へと足を運んでもらうマイクロツーリズムも可能になります。」(志村准教授)。

「お茶などを輸出してきた清水港。当然、バックグラウンドには地元の農業や基幹産業があります。その発展にも繋がるコンテンツづくりと発信をしてきたいですね」(土屋教授)。

更新日: 2021/06/17 () 09:41

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