「NPO法人その小さないのち守りたいプロジェクト」では、静岡県の犬の殺処分数を減らすための取り組みをしている。毎日、愛しい犬たちのために手を尽くす預かりボランティア。犬たちの嬉しそうな笑顔にパワーをもらい、里親が見つかると愉悦する。そうして日々幸せを探しながら、頑張っている。
「高校生まちづくりスクール」(わかもの記者コース)は、地域に興味をもつ高校生が、市民活動に触れる・体験するきっかけを生み出す講座です。参加した高校生は、自分の興味のある市民活動を調べ、取材しました。高校生の目線で調べたこと・感じたことが掲載されておりますので、ぜひご一読ください!
なお、記事内容については各取材先にご確認いただいておりますが、文章表現についてはなるべく原文を尊重しております。(静岡市子ども未来局青少年育成課)
譲渡会は認知度がまだ低いため、犬との触れ合いを通じて、活動をより多くの人に知ってもらいたい思いで、昨年1月、「NPO法人その小さないのち守りたいプロジェクト」を設立。活動人数は15人。3時間おきのミルクだけでなく、毎日の健康チェックも欠かせない。病気の子に付きっきりの日もあり、十分に寝られない日もあるという。また、若者に犬の残酷な状況を知ってもらうため、学校に出向き、「いのちの授業」を行ったり、老人ホームで犬と接することができる機会を作ったりなどの「ふれあい訪問活動」を行う。そのような精励もあり、昨年、この団体で保護された犬は60頭。そのうち54頭もの犬が里親に引き取られた。それらが、活動における努力の「賜物」であることを表している。犬の殺処分という厳しい「現実」。それは、世の中全体で更に理解を深める必要があるため、その第一歩として、私たちが活動を「知る」ことが最も重要である。
預かりボランティアは、保護する前の、心身ともに傷んでいる犬を見なければならない、苦しい現実がある。それでも、「保護犬が幸せになること」を第一として、日々奮闘している。里親が見つかったとき、犬の顔つきは今までと全く違うそうだ。保護をした日から世話をして育ててきた犬達が幸せの一歩を踏み出すとき、預かりボランティアは犬達が幸せになれることの喜びを感じると共に、里親さんの元へ旅立つ寂しさがあるという。それは、決して悲しい涙ではない。犬達にとっては、里親さんが決まることが一番の幸せなのだから。ボランティアの流す涙は、寂しさだけでなくうれしさも含まれている。
殺処分だけでなく、ペットショップの裏側にも辛い現状がある。人気の犬を繁殖させる母犬が用無しになったとき、息絶えるまで劣悪の環境に置かれるのだ。活動団体名の「いのち」は、誰もが「いのち」の大切さを、いろんな角度から柔軟に考えられるように付けられた。代表の佐野さんは「学校の専門の講師との連携を図り、犬と触れ合う機会のない人々が外に出るきっかけを作りたい」と意気込みを熱く語った。
私は、今回のような活動を自分で「知り」、情報発信や保護動物について「理解する」必要があると思う。迷子の動物をみつけたとき、優しく手を差し伸べてあげることが、動物たちの安全・安心につながるのではないか。自分の周りにある「いのち」、一番近くにある「いのち」から助けていくことが、多くの動物を助ける術になる。また、若者である私たちが活動に関心を持ち、次世代の子どもたちにそれを伝えていくことが大切である。
静岡市子ども未来局青少年育成課
更新日: 2019/03/14 (木) 15:47