5/9(火)に開催された『たべものカフェ』(以下カフェ)の取材に行ってきました。この日は、42名の申込みがあり、多くの学生が食材をもらいにきていていました。カフェを企画・運営をしている静岡県立大学学生ボランティアセンターの代表の栗田さん、OGの佐藤さん、そして、ボランティアの皆さんに、コロナの影響ではじまったカフェが、3年が経過した今も必要とされている理由を伺いました。そこには、支援を継続することで見えてきた「学生の貧困」がありました。
たべものカフェは、2020年の新型コロナウイルス(以下コロナ)の感染拡大の影響を危惧した静岡県立大学(以下大学)の津富宏先生等が有志ではじめた『緊急支援プロジェクト』の一環としてはじまりました。当時は、人と接触することがリスクとされていたので、「アルバイトがなくなった」「シフトを減らされた」という経済的に困っている学生がいました。加えて、大学の授業もオンラインになり、サークル活動も十分にできない期間が続き、「友達ができない」等の精神的に孤立している学生もいました。これらを解決するために、学生ボランティアセンターが企画・運営を担い、同年7月17日に最初のカフェがはじまりました。
まずは、学生に渡す食料のリストを作ります。2週間生活できる量を目安に、栄養バランスを考えて決めています。冬だったらお鍋を作れる食材を選ぶ等の季節の野菜を入れることを意識しています。料理する時間がないという学生もいるので、やはり簡単にできる食料の方が喜ばれますね。特に、パスタは喜ばれます。調理器具を持ってない学生もいたりするので食材選びは難しいです。
利用する学生が来たら、まず名前を聞いて、申し込みの有無を確認します。申込時に記入してもらった「ヒアリングシート」を元に、雑談を交えながら、困っていることがないか等を聞いていきます。いきなり深く聞くことはないですが、悩んでることがあればじっくり聞くこともあります。ヒアリング後に、食材を渡しています。活動のメインは、経済的に困っている学生の支援ですが、関係作りも大事だと感じています。支援する/されるという関係ではなく、友達のように接することで、話しやすくなることもあると思います。ここで知り合い、その後授業が一緒になったことをきっかけに仲良くなった学生もいます。
当初は、コロナの影響でバイトができない学生の支援が目的でしたが、制限がなくなってきた今も、カフェを必要としている学生がいます。そのほとんどが理系で、研究室に拘束される時間が長く、アルバイト、買い物に行く時間がないという学生が多いです。一部ですが、家族との関係がよくない、そもそも家庭に金銭的な余裕がない学生もいます。話をする中で、専門的な支援が必要と感じた学生については、チラシを配って卒業生の専門家につなぐようにしています。
▲カフェで配布しているチラシ
去年までは人が多かったのですが、今は人手不足なので、ボランティアに運営を手伝ってもらっています。ボランティアセンターとは別にカフェを手伝ってもらうためのボランティア組織の準備を進めています。カフェが学生同士の交流の場所にもなって欲しいので、是非気軽に手伝いに来てほしいです。
更新日: 2024/01/11 (木) 14:28