タイトル

  1. ホーム
  2. 記事一覧
  3. 市民活動団体紹介「その小さないのち守りたいプロジェクト」(清水市民活動センター記事)

市民活動団体紹介「その小さないのち守りたいプロジェクト」(清水市民活動センター記事)

 静岡市

ある新聞に、『県内で殺処分された犬と猫の数が過去最少』という記事があり、その要因の一つとしてとしてボランティア団体の貢献が挙げられていました。 6月11日、さまざまな厳しい環境に置かれた犬たちのレスキュー活動をおこなう『その小さないのちを守りたいプロジェクト(いのちプロジェクト)』が開催した保護犬の譲渡会に行ってきました。そこには保護犬の幸せのために奮闘する会員の姿がありました。保護犬の世話や訪れた人への対応で忙しい中でしたが、代表の佐野友美さん、副代表の村野かよ子さんに、活動についてうかがうことができました。

処分から「いのち」をつなぐ~保護犬の譲渡会を訪ねて~

「その小さないのち」を守るために

(佐野)
保健所等から犬を保護し、病院にて医療を施し、家族として迎えてくださる家庭へ譲渡して「いのち」をつなぐ活動をしています。また、啓蒙活動として犬や猫の現状を伝えるパネル展示やふれあい訪問活動も行っています。

(村野)
保護犬のボランティア活動をしていた代表が、団体を立ち上げたいということで、私を含めた有志5人で集まり、2016年に任意団体として活動をスタートさせました。活動していく中で、命を預かって新たな家庭に譲渡していくには信頼が高い方が良いと感じ、2018年1月にNPO法人になりました。今は、預かりボランティア、イベントを手伝うボランティアも含めて、30人程で活動しています。

▲福代表の村野さん(左)、代表の佐野さん(右)
村野さんと佐野さんの犬が兄弟という関係でもある

まずは健康チェックから

(佐野)
保護犬とは、飼い主のいない犬のことをいいます。譲渡会にいる子たちは、保健所に保護されたり、ブリーダーの多頭飼育崩壊現場からレスキューされたり、一般家庭で飼育放棄された子たちです。
ボランティア団体同士のつながりで、県外で保護された子を受け入れて、里親さんを探すこともあります。私たちのところに来る時は、何もわからない状態で来るので、治療が必要な子はもちろんのこと、隠れている病気を探して、治療しなくてはいけない子もいます。
メディカルチェックとして、血液検査、フィラリア検査、検便、耳、ダニの検査を必ず行っています。小犬の場合は、追加でPCR検査もやります。

▲譲渡会場の保護犬
1枚目の写真の犬は、保護された後に妊娠がわかった

保護犬からの卒業

(佐野)
これから家族の一員として迎えられていく子たちなので、まずは預かりボランティアさんの元で子どものように育ててもらうことで、家庭を知ってもらいます。そして、家族に迎えたいという問合せがあった時は、まずは譲渡会に来て頂き、面会の場を設けます。

(村野)
この時に、犬の現在の状況や譲渡の条件を説明します。

▲来場者に説明をする預かりボランティア
里親からボランティアになる人も多い

(佐野)
申込み後に、犬と受け入れる家庭が家族になるための準備としてトライアル期間を設けています。その期間中、『懐いてきました』『まだ警戒しています』等の様子を毎日報告してもらい、犬から見た家族、家族から見た犬、それぞれの関係を見させてもらっています。

(村野)
加えて、室内から道路に出てしまわないようにリビングに柵を付けること、留守番の時にはコードを噛んで感電することがないようケージに入れておくこと等、安心して暮らすための注意点をお伝えしています。首輪等の道具を一式揃えてもらい、全て準備が整ったところで正式譲渡となります。

▲首輪と迷子札。正式譲渡の時は、ハーネスを持ってきてもらい、必要な道具がそろっているか確認をしている

里親との継続したつながり

(村野)
譲渡後も、会場に犬を連れて、顔を見せに来てくれる里親さんもいます。その時に、しつけに関する相談を受けることもあります。
また、愛犬救命訓練士の先生に来てもらい、毎月第3日曜日に、『しつけ教室』を開催しています。里親さんがしつけで困ることがないようにできる限りフォローしています。

▲保護犬や卒業した犬を対象にした『しつけ教室』

1匹でも多くのいのちをつなぎたい

(村野)
今後に向けていちばんの課題は、資金ですね。病院に行く機会が多いので、医療費だけで年間600~800万円かかります。全額ではないですが、譲渡時に「譲渡費用」としてこれまでに掛かった医療費の一部を返還してもらっています。そこに、賛助会員の会費や皆様からの寄付を加えて、なんとか活動が成り立っています。

(佐野)
保護っ子たちに幸せになってもらうためにも、これからも県内各地で譲渡会を開催し、1匹でも多くの「いのち」をつないでいきますので、応援お願いします。

団体HP

動物福祉を対象にした助成金は少なく、いのちプロジェクトのような団体にとっては活用できる資金獲得の選択肢が限られています。そういった中で、目の前の「いのち」のために賛助会員やボランティアの力を集め、活動している団体を知ることができました。
犬猫の殺処分が少なくなってきた背景には、譲渡会を毎週のように開催し、1匹でも多くの「いのち」をつなごうと日々活動している団体の努力があります。

更新日: 2024/01/11 () 14:28

  • Line 80
静岡市をもっと暮らしやすく、理想の都市にするために
あなたもまちづくりに参加してみませんか。
まちづくりには様々な参加方法があります。
興味があること、得意なことから探してみてください!
イベントに参加 地図で検索 写真投稿 活動団体を探す・
連絡する
オープンデータを
利用する