いじめ問題に関心を持っているときCAPプログラムを知り、これが世の中に広がれば、暴力を止められるのではないか、という思いで、2001年4月に「CAPきらきら」を五人で設立。資格と時間が必要なため、現在は三人で活動している。「CAP」は「子どもへの暴力防止」という意味で、誰もが持つ「権利」について伝えながら、暴力防止を図っている。
「高校生まちづくりスクール」(わかもの記者コース)は、地域に興味をもつ高校生が、市民活動に触れる・体験するきっかけを生み出す講座です。
参加した高校生は、自分の興味のある市民活動を調べ、取材しました。高校生の目線で調べたこと・感じたことが掲載されておりますので、ぜひご一読ください!
なお、記事内容については各取材先にご確認いただいておりますが、文章表現についてはなるべく原文を尊重しております。(静岡市子ども未来局青少年育成課)
誰もが持つ「権利」とは、「安心・自信・自由」つまり人権のことだ。これらは、「生きるエネルギーになる」という。「子どももおとなもすべての人たちは、いつでも、安心して、自信を持って、自由に生きる権利を持っている。」これが、団体からの一番のメッセージだった。自己肯定感を持ち、自分を大切に思える「安心」。勇気を出して断り、おとなに相談する「自信」。暴力を受けたときは逃げたり、嫌だと言ったりする「自由」。この三つの「権利」は、誰もが持っていて誰も奪ってはならないものであり、それが子どもたちの心の拠り所になるのだ、と代表の杉山さんは語る。「子ども」「おとな」と平仮名にすることで、おとなであるから優れているわけでも、子どもであるから追従しなければならないわけでもないことを示している。お互いが対等な立場でいることが、いじめや暴力の防止になるのだ。
いじめが起こる原因は「いじめられる」側にある、と思っている人は少なくない。しかし、「いじめる」側の行動改善を訴えたい。いじめる者は、自分を大切に思うことができず、自己肯定感を持たない。そこから、優しくおとなしい子をいじめたくなる。だから、「いじめられる」子の苦しみを、周りの子どもたち、おとなたちが理解してあげることが必要だ。味方であることを伝え、その子の気持ちに寄り添うことが、一番の解決策なのである。
杉山さんは、地域でいじめや虐待などが起きていることを聞くたび、CAPプログラムがあるのにも関わらず、それが知られていないこと、プログラムを提供できる人員が足りない現実にもどかしさを感じている。CAPプログラムを知り、その場限りの「良いプログラムだな。」という感情ではなく、実際子どもたちに問題が起こったとき、それを実行できることが大切だ。そのために、私たちが更に意識を高く持たなければならない。
「いじめをしてはいけない」正直、そのことを熱く語られるかと思っていた。しかし、代表の杉山さんと、メンバーの前田さんが一番強調したのは、誰もが「安心・自信・自由」の権利を持っている、ということだった。そこが根底にあり、それを知らないことには、何も対処することができないのだ。その権利を知ることが、自分の「生きるエネルギー」となり、未来を変えられるのだから、私自身、CAPプログラムについて、更に広めていかなければならないと感じた。
静岡市子ども未来局青少年育成課
更新日: 2019/05/25 (土) 11:16