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市民活動団体紹介「静岡きょうだい会」(清水市民活動センター記事)

 静岡市清水市民活動センター

「きょうだい」について知っていますか? ケアが必要な家族の世話をしている「ヤングケアラー」という存在が社会的に認知されてきました。それとともに「きょうだい」にも注目が集まっています。このひらがな表記がどのような方を指す言葉か知っていますか?

「きょうだい」または「きょうだい児」とは、家族の中で病気や障害のある兄弟、姉妹がいる方のことです。
当事者が1人で抱え込み悩むことも多いと聞きますが、「ヤングケアラー」も「きょうだい」も、、その大変さを話し合い支えあう自助組織も増え、その思いや現状を発信する機会が増えています。
今回は、県内で「静岡きょうだい会」を立ち上げ、日々精力的に活動している代表の沖侑香里さんにお話をうかがいました。

■静岡きょうだい会

「きょうだい」のための自助グループ「静岡きょうだい会」を立ち上げたのは、2018年秋でした。 団体の中では、これまでの経験や抱えている思いや悩み、そして将来への不安などを語り合う座談会や、制度や福祉サービスを学ぶ勉強会を開催してきました。

今は、コロナの影響もあり月に1回のペースでオンライン開催しています。参加者の安全を考え、6人~7人の定員でおこなっています。その他、東海北陸地方の4団体で、半年に1回コラボできょうだい会を開催しています。一緒に開催することで交流の幅が広がりましたし、運営者同士で定期的に会って悩みを話す機会が持てることもありがたいです。

■見落とされる「きょうだい」の気持ち

私にも、障害をもつ5歳下の妹がいたので、特別支援学校、児童発達支援、こども病院等で、様々な障害がある方の様子を見てきました。もちろん、妹のことは大好きだったし、かわいいと思っていました。それでも、「親に言ったら悲しむかもしれない」、「伝わり方によって、妹の存在を否定する言葉になるかもしれない」という悩みもつねに抱えていました。
周囲の大人からは、そういった気持ちへのフォローはなく、「妹さんの分まで頑張って」、「お母さんを支えあげて」、「しっかりしていて偉いね」というポジティブな声掛けばかりでした。
それも必要なことですが、「きょうだい」にはポジティブとネガティブの両方の気持ちがあって、片方は見落されてしまうんです。そしてポジティブな部分は、周りの大人からは見えやすいんです。
会の中でも、「初めて素直な気持ちを話せました」「ずっと1人で抱えていました」という気持ちを耳にすることが多いです。

■「ヤングケアラー」という言葉

「ヤングケアラー」という言葉が日本でも浸透し始め、実態調査によって政策に反映していく動きは、大きな1歩だと思います。実際に、この言葉を知って、情報にアクセスするきっかけになった子もいます。同時に、「ヤングケアラー=かわいそうな子、支援が必要な子」というイメージも持たれやすくなっている印象があります。
誇りを持ちながら家のことを手伝っている子もいれば、「何でこんな家に生まれてきちゃったんだろう」と思っている子もいます。支援者や地域の人が、身近に困りごとを抱えている子どもがいると気づいた時に、もしかしたらサポートが必要かもしれないと考えるきっかけとなってほしいです。

■「きょうだい会」・・・これから

今後は、オンラインによる活動を継続しながらも、対面での活動も再開していきたいと考えています。今まで、富士市を中心に活動してきましたが、県内の他の地域でもきょうだい会をやってみたいです。ここ数年、「ヤングケアラー」が注目されてきましたし、私も講師として依頼されることもありす。ただ、誤解を恐れずに言えば、「ヤングケアラー」と「きょうだい」は似ているところもあれば、違うところもあります。例えば、自閉症の兄弟が大きな声を出してるとか、ものを壊されてしまったという「きょうだい」がいたとします。こういった「きょうだい」は、誰かのケアをしているヤングケアラーとは少し違います。今はきょうだい同士の座談会が中心ですが、元々は支援者や保護者に「きょうだい」の抱えている課題を伝えたいという想いからはじまった活動です。そういった方達に、今一度「きょうだい」について啓発していく活動もしていきたいと思います。

更新日: 2024/01/12 () 17:34

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