子どもが学校に入学すると、保護者はPTAに参加し、何らかの形で携わっていきます。役員選出時の雰囲気、時間をとられる等、あまり良い印象を抱いていない人たちがいる反面、その経験が良かった、役に立ったという人たちもいます。今回は、PTA経験者で集まって、PTA活動、男性の家事・育児を支援するPTA&Co(ぴったんこ)という団体を立ち上げた皆さんに、設立に至った経緯や活動の内容を伺いました。
佐々木-2023年の7月に、清水第二中学区のPTA役員経験者に声をかけ、PTAのサポート、男性の家事・育児の応援を目的に設立しました。きっかけは、新型コロナウイルスの影響によって、PTAが主催するバザー、出し物等の子ども達の楽しみである行事が中止になっていたことです。そういった状況下で、地域の子ども達のために何かをしたいと考えるようになりました。
土屋-私も以前から、男性が家事・育児に関わる機会が増えたら嬉しいし、子どもが楽しむことができる地域のイベントは大事だと感じていたので、直ぐに賛同しました。
佐々木-最初は、本部役員として関わりました。それから、小学校で2年、中学校で3年、高校で2年、PTA会長をやってきました。その間、いろいろなご指摘を受けたり、大変だったこともありました。でも、地域の子ども達の環境が良くなると、巡り巡って自分の子どもたちにとっても良くなるなることがわかりました。
土屋-PTAは、多くの保護者から関わりたくないと思われています。でも、私にとっては役員や会長の経験が、自分を高める機会になりました。今も、この時に出会った人とつながりは、大事にしています。
園田-良かったこと、苦労したこと両方を経験しました。佐々木さんが言っていたように、コロナ禍で、活動が中止になりました。イベントを開催することへの反対意見もありましたが、子ども達のために、10人ぐらいのお父さん達とたちと一緒に、学校で『逃走中』や『肝試し』を開催しました。肝試しは、約300人位が参加したと思います。
佐々木-PTAは、様々な委員会があります。毎年会員から、新しい委員を決めるのですが、その作業が大変です。保護者のみなさんの大半が、できればやりたくない、時間をとられてたくない、仕事に支障をきたしたくないと感じています。
天野-確かに仕事を犠牲にまでしてやる活動ではないです。
土屋-まずは、仕事や家庭を優先してほしいですね。子ども達のための活動なのに、引き受けた家庭の子どもが犠牲になったら元も子もありません。
佐々木-PTA&Coでは、人員不足で悩んでいるPTAへのサポート、活動の委託等を請け負っています。経験してきたからこそわかるのですが、活動の全てを自分達でやらなければいけないと考えてしまいがちです。私たちはそうした行き詰っているPTAに、『それ、地域の人達と一緒にできませんか?』という選択肢を提案することができます。去年は、船越小学校のPTAから依頼を受け、音楽イベントの駐輪場整理を担当しました。
佐々木-静岡県の2022年の男女共同参画白書によると、男性と女性の家事負担の時間を比べると、男性は女性の四分の一しか負担していません。男性の負担が低い理由の一つとして、そもそも家事のやり方を知らないということがあると思います。そして地域のお店には、家事に関連したノウハウを持っているところが沢山あります。その方達の協力を得ながら、男性が家事を楽しみながら学ぶことができるイベントを企画しています。
佐々木-PTA&Coの『Co』は英語で『共に』『仲間』という意味があります。子どもたちのために活動したい方であれば、経験の有無に限らず参加できます。子どもたちと何かをすることが好きなメンバーが集まった団体なので、PTAに限らず活動する中で困ったことがあれば、気軽に頼ってほしいですね。
天野-敷居の低い相談所みたいな感じでね。
佐々木-そして、地域の人達と一緒に、10年、20年と子どもを支えていきたいと思います。
更新日: 2024/06/26 (水) 10:27