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ESUNEがつなぐ能登と静岡

 静岡市清水市民活動センター

NPO法人ESUNE(エスネ)の斉藤雄大さんは、能登半島地震の復旧作業のために、3月から能登と静岡を何度も往復しています。月の3分の2を石川県輪島市三井町にある現地団体「のと復耕ラボ」(復耕ラボ)に滞在し、復旧に携わっています。斉藤さんに、ESUNEの取り組み、能登の現在の状況、今後の課題についてうかがいました。

能登と静岡をつなぐ架け橋として

 NPO法人ETIC.(エティック)が幹事となるチャレコミというネットワークがあります。そこには災害関連の勉強会等を開催している災害支援チームがあり、ESUNEもそこに参加していて被災直後にチャレコミで能登の支援をしていくことになりました。その時にESUNEの理事会でも「静岡からできることがないか」を話合いました。そこで、チャレコミ災害派遣制度を活用し、職員が現地に行って支援する方針となり、私が3月18日から能登に入りました。能登では、復耕ラボに滞在し、ボランティアのコーディネート、事務作業のほか、ボランティアと一緒に復旧作業に取り組んでいます。

 静岡でも、能登を支援したい大学生や企業をサポートしています。今は、能登半島のために何かをしたいという学生が立ち上げた『こんぱす』という学生団体のサポートをしています。彼らは、多くの人に能登について知ってほしいと考えています。そのために、能登の特産品を販売する先としてマルシェの運営者を紹介したり、3月に開催された勉強会では、ゲストとして参加し、能登の現状を伝えました。他には、市民活動団体の静岡2.0さん、静岡ガスの職員さんから能登のために何かやりたいと相談を頂いた時は、復耕ラボを紹介したところ、実際にボランティアに来て頂きました。「能登のために何かしたい」という想いを持っている人や団体・企業を現地の団体とつなげています。

学生の想いからはじまった支援

 ESUNEは、「新しくまなぶ、はたらく、いきるを静岡からつくる」というミッションを掲げ、大学生と若手の社会人が持つ持ち味や声を引き出し、豊かなまち・暮らしをつくるために、様々な主体と連携・協働して、プロジェクトの創出、コーディネート、人材育成、拠点運営等を行なっています。
 これまで、大学や静岡市、企業等の様々なセクターと協働してきました。最近は、静岡大学、アイザワ証券株式会社、静岡鉄道株式会社の協力を得て、2022年8月から静岡市駿河区小鹿に「みんなのチャレンジ基地ICLa(イクラ)」を開設しました。大学生をはじめとした若者のチャレンジを後押しする拠点であり、若者が希望を持って社会を冒険していくための場でもあります。今回サポートしている『こんぱす』も、ICLaを利用している学生の想いからはじまりました。

ボランティアの力は必要だけど・・・

 能登ではまだ支援するボランティアの数が少ないです。加えて、現地の復旧に携わる解体業者等も少ないため、なかなか復興が進みません。まだ水が出ない地域もあり、そもそも人を受け入れる態勢が十分ではないです。特に奥能登地域が深刻です。奥能登は農業や漁業等の一次産業が中心の地域で、そもそも過疎化が進んでいた地域です。高齢化が進み、住人が少ない地域の全てを被災前のように戻すことは無理だとしても、今後どういった形で復興していけばいいのか考えていきたいです。

 現在関わっている復耕ラボは、民間のボランティアセンターになっています。ボランティアの受け入れ自体は復旧に欠かせないと思いながらも、結構な時間や労力がそちらに割かれてしまいます。復旧のために立ち上がった団体がボランティアを受け入れることが負担になり、本来の職能を発揮しづらくなっている現状に、もどかしさを感じることもあります。

 個人的に、ボランティアに行きたい人たちのサポートも必要だと感じています。特に、学生への金銭的なサポートが必要だと思います。ボランティアとして現地に行くには、交通費がかかります。東日本大震災の時と比べて学生の参加が低い理由として、学生の意識が変わったという意見を耳にしますが、むしろ経済的な理由が大きいと思っています。学生への仕送り額は、この10年でどんどん減ってきていて、社会全体で余裕がなくなってきています。
 一昨年の台風15号の時は、県外の人からも多くの支援を頂きました。今度は、静岡から恩返しをしていく時だと思います。今後、静岡でもいつ災害が起きるかわかりません。こういった機会をきっかけに、平時から災害について考えていく場を作っていきたいです。

更新日: 2024/08/16 () 14:09

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